vol.01 レモコネクタの誕生秘話
『 LEMO SHORT STORY 』
第一回目のSHORT STORYは、『レモコネクタの誕生秘話』について。
創業者であるレオン・モゥテ氏の趣味は、写真撮影でした。
レモの事業をスタートする前は写真館を経営していたほど 写真撮影は彼の得意とする分野だったのです。
特に野生動物の写真を撮るのが大好きで、時間を見つけては森の中で野生動物の撮影を行っていました。
夜、機器を設置し待機しているとき、動物がフラッシュのケーブルを引っかけてケーブルが抜けてしまい、再度装着させるのに 当時のねじ式のコネクタでは、時間がかかり、作業性の悪さが目立つことがありました。
また当時 彼の一番の得意先であったスイステレコム社を訪れた際に、電話交換手の女性たちが電話プラグをジャックに差し込む際、差し込みにくそうに作業しているのを目にし、
『安全で確実に嵌合し、且つ 簡単に抜き差しができるコネクタ』の必要性を実感していたのです。
1954年のある日、彼はミラノで開催された電子展示会を見学した帰り道、
偶然にも車のシガーライターのソケットの構造から、コネクタのアイデアを思いついたのです!
そうです。これが後に世界に広く知れ渡るようになった『レモコネクタ』=“プッシュプルコネクタ”の誕生です。
ヒントを得てから、製品として製造化するまでに約3年かかっていますが、製品化と同時に工場を増設し、本格的にコネクタ業界にレモは乗り出していきます。
世の中で『必要とされるコネクタ』であることに確信があったのでしょう。
その後も PEEKインシュレーターの導入・Bシリーズや防水タイプのリリースなど、様々な革新的な技術を生み出していますが、彼はイノベーションを起こすために何か特別なことをいつもしていたわけではありません。
日常の中で、常に探求心を持ち、“価値ある明日”を追い求めた結果、様々なアイデアに出会い、数多くの革新的製品を生み出したのでしょう。